還暦野球で1対13の大敗。ノースリーから見逃した、あの1球

今日勝って、沖縄で開かれる九州大会への出場が決まる。
朝からそんな予感がしていた。体調も良かった。空も晴れていた。
結果は、1対13。5回時間切れのコールドゲームだった。
そして、この試合を変えられたかもしれない場面に立っていたのは——他でもない、9番打者の私だった。
まさかの大敗。しかし序盤は食らいついていた
1回表、いきなり2点を先制される。それでもその裏に1点を返し、まだ流れはこちらに引き寄せられる展開だった。
だが2回表にさらに2点。じわりと相手ペースに傾き始める。
迎えた2回裏。1アウト2・3塁の絶好機で、私に打順が回ってきた。
ヒット1本で2点。同点に追いつき、試合の流れごと取り返せる打席である。
ノースリーからのど真ん中
相手投手はストレート勝負で来た。しかし球が上ずり、あっという間にスリーボール・ノーストライク。
ベンチを見る。監督のサインは「打て」。
だが私は、心の中で決めていた。ノースリーからは見逃す、と。
そこへ来たのは——ど真ん中のストレートだった。
バットは動かない。ボールだけが過ぎていく。
セオリーに縛られて、監督のサインより自分の決め事を優先してしまった。今もあの1球が、頭から離れない。
5球目、監督のサインはヒット・エンド・ラン。インコース低めをファウルチップにして走者を還せず、続く球を打ち上げてセカンドフライ。なんとも情けない結果に終わった。
次打者も凡打に倒れ、絶好機はゼロ行進のまま幕を閉じた。
その後は4回までに1点を追加され、1対5で給水タイム。そして5回表、一挙8点を奪われて万事休す。
ワンヒットが出ていれば、展開は違ったはずだ。振り返るたびに、猛省するばかりである。
予期せぬ先発出場
実は今年度の還暦野球は、少し距離を置いていた。
4月の県大会には参加せず、練習も行ける時だけ。生活の中で野球にかける比重を、全体の2割ほどまで落としていたのだ。
そんな中で回ってきたのが、九州大会の出場を懸けた大一番での先発出場である。
驚きはあった。ただ、体調はすこぶる良く、試合をすること自体に不安はない。とはいえ、自宅での自主練を含めて、練習不足は否めなかった。
蓋を開けてみれば、守備そのものはノーミス。困ったのはセカンドの守備位置だった。打者や状況に応じて半歩ずつ動く、あの感覚——いわゆる試合勘だけは、ぶっつけ本番では戻らない。
打撃は9番だったため、打席は2回裏の1度きり。2打席目が回ってきた時にはすでに勝負が決していて、代打を送られた。
悔いの残る、たった1打席となった。
不同視を強く感じた打席
そしてもうひとつ、あの打席には気づきがあった。
5球目、ヒット・エンド・ランのサインで来たインコースのストレート。右目でボールを追っていたはずが、打つ瞬間、視点が左目へ切り替わったような感覚があったのだ。
つまり、インパクトの瞬間にピントが合っていなかった。
私は右目に白内障手術で眼内レンズを入れており、左右の見え方に差がある——いわゆる不同視の状態が続いている。日常生活ではほとんど気にならない。だが、一瞬でミートポイントを判断する打席では、この差が容赦なく牙をむく。
9月に眼科で、左目にコンタクトレンズを入れるための検査を受ける予定だ。利き目である左目の視力をしっかり出して、右目の眼内レンズと釣り合いを取る調整をしていく。
もちろん、装着してすぐ完璧に見えるとは思っていない。脳が新しい見え方に馴染むまで、しばらく時間がかかるだろう。それも織り込み済みである。
暦は65歳、体内年齢は49歳
ここ数年、体の調子は着実に上がってきている。アルコールを絶ったことも、良い方向に働いている実感がある。
暦の上では65歳になったが、体組成計が示す体内年齢は49歳だ。
ここに左目のコンタクトレンズが加われば、空間認識は良くなり、遠近感もピントも合ってくるはずだ。
ボールを芯で捉える、あのフィット感をもう一度。
今日の大敗と、ノースリーから見逃したあの1球は忘れない。悔しさを燃料にして、また練習に足を運ぼうと思う。



