階段と滝:秘境に行くには階段を登る体力が必要

最近神社仏閣に興味が湧いて、遠くの山でも行ってみている。
目的の神社仏閣に辿り着くためには、階段登りが必須となる。
階段を登る体力がないと、目的地に辿り着けなくなる。
日々の筋トレ・食事に気をつけてもっとたくさんのパワースポットを訪ねて回りたい。
「記事の一部に生成AIを使っています」
旅をしていると、ときどき「これは試練だな」と思える場所に出会うことがあります。それは標高の高い山でもなければ、荒れた林道でもない——階段です。整備されていて登山道より安全に見えるけれど、なめてかかると想像以上に足腰にくる、あの「階段」。そしてその先に待っているのは、たいてい神秘的な神社や、雄大な滝。今回は、私が訪れた「階段の先にある秘境」について紹介したいと思います。旅のテーマはズバリ、「階段と滝」。体力勝負ですが、その価値は十分にあります。
日本一の階段「釈迦院御坂遊歩道」〜3,333段の挑戦〜

まず紹介したいのが、熊本県美里町にある「日本一の階段」として知られる釈迦院御坂遊歩道。なんとその階段の段数は3,333段。日本一どころか、正直、最初に聞いたときは耳を疑いました。
この階段を登りきると、標高500メートルの山の上にある釈迦院にたどり着きます。周囲は霧に包まれることも多く、登るにつれて景色が幻想的に変わっていきます。階段の途中には休憩用のベンチが設置されていますが、それでも「なぜこんな場所に?」と驚くような高低差。
登り切ったときの達成感は格別で、下からは見えなかった山並みの美しさや、空気の澄んだ静けさが心に沁みます。ここを登るには、事前の準備運動と水分補給はマスト。ちょっとした登山気分で、旅の目的地にする価値ありです。
加藤清正公の菩提寺に続く長い石段〜本妙寺の静けさ〜

次に紹介するのは、同じく熊本にある加藤清正公の菩提寺である本妙寺。ここにもまた、見逃せない石段があります。本妙寺は清正公を祀る由緒ある寺で、城下町・熊本の文化と歴史を今に伝える場所です。
駐車場から本堂までの道のりは、石段が延々と続きます。数にして500段近く。釈迦院の3,333段には及びませんが、それでも一歩一歩が歴史を感じる特別な空間。途中には石灯籠や古い墓碑が並び、時が止まったような風情に包まれます。

上まで登ると熊本市街が見渡せる景色が待っており、旅人の心を癒してくれます。観光地としてはそこまで混雑しないので、静かに歴史と向き合いたい方には特におすすめです。
幻想の森と階段の組み合わせ:上色見熊野座神社
そして、まさに「秘境」という言葉がぴったりなのが、熊本県高森町にある上色見熊野座神社(かみしきみくまのざじんじゃ)。アニメの舞台にもなったこの神社は、苔むした参道と深い杉林、そして石段によって独特の世界観が形作られています。


鳥居をくぐってから神社の本殿まで、ずっと階段が続きます。距離は短めですが、湿度の高い林道と相まって、まるで異世界に迷い込んだような感覚になります。登るたびに空気がひんやりと変わり、途中には「穿戸岩(うげといわ)」と呼ばれる巨大な岩の割れ目も。

ここはスピリチュアルな雰囲気が濃く、訪れるだけで心がリセットされるような場所です。体力的にはさほどきつくありませんが、足元が滑りやすいので注意が必要です。
霧島・丸尾の滝〜階段の先に湯けむりのカーテン〜
階段と滝のセットといえば、霧島温泉郷にある丸尾の滝も外せません。鹿児島県霧島市に位置し、温泉が湧き出る地層を流れ落ちる珍しい滝です。湯けむりが立ちのぼる幻想的な光景は、まさに霧島ならでは。

駐車場から滝つぼの近くまでは、これまた階段。段数はそれほどではありませんが、温泉地特有の硫黄の香りと湿気で、体力以上に気力が試されます。特に冬場は湯気で視界が幻想的になり、カメラを構える人も多い人気スポットです。
滝を見下ろす展望台もあり、階段を上って違う角度から見ると、また違った趣があります。温泉旅行と合わせて立ち寄るのがベストな楽しみ方ですね。
通潤橋と五老ヶ滝〜歴史と自然をつなぐ階段〜
最後に紹介するのは、熊本県山都町にある通潤橋と五老ヶ滝。このセットもまた「階段好き・滝好き」にはたまらない組み合わせです。


通潤橋は江戸時代に作られた石造アーチ橋で、農業用水を通すための歴史的な構造物。放水の時間には観光客でにぎわいますが、真の見どころはその下にある五老ヶ滝までの階段道です。
階段は細くて急で、整備されているとはいえ、油断すると足を取られそうなほど。途中で木々の隙間から滝の全貌が見えてくると、「おおっ」と声が出ます。滝壺に近づくと、その音と風としぶきに圧倒され、五感で自然を感じられるスポットです。
ちなみに、この階段を登って戻るのが一番の難関。滝の感動が残るうちに、がんばって登りましょう。登りきったときには、ちょっとした達成感とともに、心が清らかになる気がします。
階段を登ることでしか得られない感動がある
旅というのは、移動そのものが思い出になるものです。そして今回紹介した「階段の旅」は、その最たる例かもしれません。滝や神社という秘境にたどり着くには、自分の足で階段を登るしかない。誰かに運んでもらうこともできなければ、エレベーターがあるわけでもない。その不便さこそが、達成感と神秘を生むのです。
旅を通して思ったのは、「階段を登る体力があるうちに、行けるところへ行っておこう」ということ。年齢を重ねると、膝や腰が悲鳴を上げる前に、登っておきたい階段がたくさんあります。階段の先には、時に自分の人生観を揺さぶるような景色が広がっているのです。
次の旅先に迷ったら、階段をキーワードにして探してみるのも面白いかもしれません。あなたも、秘境の階段を登ってみませんか?