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エッセイ

映画「TOKYOタクシー」を観て|ハウルとソフィーの声が、実写で再会していました

映画:TOKYOタクシー&ハウルとソフィーの文字、背景に海岸の夕日、腕を組んだカップルとタクシーのシルエット
ハウルとソフィー
noira.0453@outlook.jp
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ハウル
ハウル

みなさんこんにちは。ハウルブログです。今日も元気にお過ごしでしょうか。

人生100年と言われる時代です。還暦(60歳)を過ぎても、まだ残り40年あります。このブログが、還暦を過ぎたみなさまにとって何かのヒントになればと思い、書き続けています。

今日は映画「TOKYOタクシー」について書いてみます。

Amazonプライムのおすすめが、まさかの人選でした

夕食後の空いた時間に、なんとなくAmazonプライムビデオを開きました。おすすめに出てきたのが「TOKYOタクシー」です。

サムネイルに映っていたのは、木村拓哉さんと倍賞千恵子さん。

この二人の組み合わせを見た瞬間に、私は「観る」以外の選択肢を失いました。なぜかというと、このブログの名前が「ハウルブログ」だからです。

そう、木村拓哉さんと倍賞千恵子さんは、私の大好きな映画「ハウルの動く城」で、ハウルとソフィーの声を演じたお二人なのです。

アニメの中で恋をした二人が、20年以上を経て、今度は実写のタクシーの車内で向かい合っている。これはもう、私にとっては事件でした。

映画「TOKYOタクシー」のあらすじ

「TOKYOタクシー」は、山田洋次監督が手がけた人間ドラマです。フランス映画「パリタクシー」を原作に、舞台を東京へ移して作られました。山田監督にとって91本目の監督作だそうです。

主人公は、タクシー運転手の宇佐美浩二(木村拓哉さん)。娘の学費や家の更新料など、次から次にのしかかってくるお金の心配を抱えながら、毎日ハンドルを握っています。

そんな彼のもとに入った仕事が、85歳の高野すみれ(倍賞千恵子さん)を、東京の柴又から神奈川県葉山の高齢者施設まで送り届けるというものでした。

長距離のお客さんにひと安心した浩二でしたが、すみれさんは思いがけないお願いをします。東京の見納めに、少し寄り道をしたいところがある、と。

こうして、たった一日の遠回りの旅が始まります。車内という狭い空間で言葉を交わすうちに、すみれさんは少しずつ心を開き、自分が歩んできた人生を語り始めるのです。

若き日のすみれを蒼井優さんが演じています。ここが実にいい。昭和の空気が、画面からそのまま立ちのぼってきます。

物語の核心は伏せておきますが、これは単なる送迎の話ではありません。人が一人ぶんの人生を後部座席に乗せて運ぶ、そういう映画です。

映画「ハウルの動く城」のあらすじ

こちらもあらためて。

「ハウルの動く城」は、2004年に公開されたスタジオジブリの作品で、宮崎駿監督の代表作のひとつです。

帽子屋で働く18歳の娘ソフィーが、荒れ地の魔女に呪いをかけられ、90歳の老婆の姿に変えられてしまいます。行き場を失ったソフィーがたどり着いたのが、四本足でのっそりと歩く不思議な城。そこに住んでいたのが、美しくて臆病な魔法使いハウルでした。

ソフィーの声を倍賞千恵子さん、ハウルの声を木村拓哉さんが担当しています。

この作品でおもしろいのは、倍賞さんが18歳のソフィーと90歳のソフィーを、同じ声で演じ分けているところです。少女の声と老婆の声が、場面によって行ったり来たりする。あれは本当に見事でした。

ソフィーとハウルを重ねながら観ていました

さて、そんな予備知識を抱えて「TOKYOタクシー」を観たわけです。

倍賞千恵子さんの声が聞こえてきた瞬間、私の頭の中では、もうソフィーが座っていました。あたりまえといえばあたりまえなのですが、あの声はやっぱりソフィーそのものなのです。

そして運転席には、ハウル。

もちろん映画としてはまったく別の物語です。それでも、後部座席と運転席で言葉を交わす二人の姿に、私はどうしてもあの城の二人を重ねてしまいました。魔法の城が、都内を走る一台のタクシーになった。そんなふうにも見えてくるのです。

木村拓哉さんの演技も印象的でした。いつもの「キムタク」らしい華やかさを引っ込めて、疲れた中年の運転手として、そこにただ座っている。前に出ないことで、倍賞さんの言葉を受け止める器になっていました。

そして映画そのものが、本当によかった。思わず涙ぐむ場面もありました。

「腕を組んでもいい?」

映画の中に、忘れられない一言があります。

すみれさんが浩二に、腕を組んでもいいかと尋ねる場面です。

たったそれだけの、なんでもないお願いです。けれど85歳の女性が、その日はじめて会ったタクシー運転手に向かって口にするには、ずいぶんと勇気のいる一言だったはずです。

そして浩二が、その腕を受け入れる。

私はあの瞬間、画面の中の二人が、ソフィーとハウルに見えました。

思い出してください。「ハウルの動く城」のソフィーは、荒れ地の魔女に呪いをかけられて90歳の老婆になっています。ところが物語の中で、彼女はときどき若い姿を取り戻すのです。誰かを想う気持ちが強くなったとき、心が動いたとき、呪いがふっとゆるむ。宮崎駿監督は、そういう描き方をしました。

すみれさんが腕を組んだあの瞬間も、私にはまったく同じものに見えました。

85歳の女性が、ただ腕を組んだ。それだけで、彼女の中の18歳が顔を出したのです。魔法の城も、火の悪魔も出てきません。走っているのは東京の街を行く一台のタクシーだけです。それでも、あれは間違いなく魔法でした。

倍賞千恵子さんは20年以上前に、18歳のソフィーと90歳のソフィーを同じ声で演じ分けた人です。その人が85歳になって、今度は生身の体で同じことをやってのけた。そう思うと、鳥肌が立ちました。

腕を組むというのは、若い人だけのものではないのですね。むしろ、長く生きた人がするからこそ、あんなに胸に迫るのだと思います。

85歳の手が、静かに語っていたこと

観ていて、いちばん心に残った場面があります。

倍賞さんの手がアップで映るところです。

爪の先まできれいに整えられた、おしゃれな手でした。けれどその指には、はっきりと年月が刻まれていました。

作中ですみれさんは85歳という設定です。気になって調べてみたら、倍賞千恵子さんご本人も、いま85歳でいらっしゃいました。

つまりあの手は、演技でも特殊メイクでもなく、倍賞千恵子さんが85年かけて生きてきた、その時間そのものだったわけです。

私はそれを、少しも痛ましいとは思いませんでした。むしろ、隠さずにカメラの前に差し出されたあの手に、圧倒されました。あそこには、若さでは絶対に出せない説得力がありました。

寅さんの妹「さくら」も、こうして年を重ねられたのだなあと。感慨深いものがありました。

一期一会は、大切にせないかん

この映画を観て、あらためて思ったことがあります。

一期一会は、やっぱり大切にせないかん。

映画の中の浩二とすみれさんは、たまたま乗り合わせただけの他人です。それでも、その一日が二人の人生を動かしていきます。

還暦を過ぎると、新しい出会いは減っていくと思われがちです。でも実際はそんなことはないと、私は思っています。減るのは出会いの数であって、一つひとつの出会いの重さは、むしろ増していく。若いころなら通り過ぎていた縁を、いまはちゃんと味わえる。そういう年齢なのだと思います。

効率よく最短距離を走ることばかり考えていると、拾えないものがあります。この映画は、その「遠回り」の値打ちを、まっすぐに描いていました。

まとめ

  • 「TOKYOタクシー」は、山田洋次監督がフランス映画「パリタクシー」を東京に置き換えた人間ドラマ
  • 主演の倍賞千恵子さんは、この作品で日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を受賞
  • 「ハウルの動く城」でソフィーとハウルを演じた二人が、実写で向かい合う貴重な作品
  • Amazonプライムビデオで配信中。夜のひとときにおすすめです

「ハウルの動く城」を観てからこちらを観ると、楽しみが二倍になります。順番はどちらからでも大丈夫です。

還暦を過ぎたみなさま、寄り道をしましょう。急ぐのは、もうやめてもいい年齢です。今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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自由を目指すアラカン
「人生100年時代」をともに生きるあなたへ。
何かヒントになればと思い2022年11月にブログをスタートしました。
旅(神社仏閣巡り)・還暦野球・ゴルフやってます。

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