熊本・人吉を歩いて思ったこと 〜球磨川と復興の記憶〜

2023年(令和5年)3月18日。
ご縁があって、熊本県人吉市を訪れました。
約束の時間まで少し余裕があったので、市内をぶらりと観光することにしました。
青井神社と人吉旅館の記憶
車を停めたのは、由緒ある青井阿蘇神社の近く。
この神社、茅葺き屋根が印象的で、国宝にも指定されています。
ふと思い出したのは、以前「人吉マラソン大会」で訪れた時のこと。
そのとき利用させてもらった**「人吉旅館」の温泉**のぬくもりが、ふっとよみがえりました。
その後、旅館が水害でクラウドファンディングをしていた記憶がよみがえり、様子を見に行ってみました。
表の玄関や庭は整えられていて、ガラス越しに見ると内装もきれいに改修中の様子。
でも、旅館の裏手まで足を伸ばすと、そこには更地になった敷地が広がり、門柱だけがぽつんと残されていました。
おそらく、ここにも水害の爪痕が残っていたのでしょう。
球磨川の力と記憶
そして目の前に広がる球磨川。
静かで穏やかに見えるけれど、底知れぬ力を感じました。
2020年7月4日の豪雨による氾濫から、すでに2年9ヶ月が経っていましたが、復旧のスピードは決して速くはなく…。
駅に向かうと、**「当分の間運休」**の看板が目に入りました。
人吉駅からの鉄道は止まったまま、駅弁屋さんも閉じたまま。
それでも、切符売り場と観光案内所にはスタッフの方がいて、何かしら販売を続けている姿がありました。
(あれ、何を売ってたんだろう…ちょっと気になります)
夏目友人帳と人吉の魅力
人吉といえば、アニメファンにはたまらない**「夏目友人帳」**の舞台としても有名ですね。
市内の「くまりば」には、夏目友人帳のポスターや人吉花火大会の告知が貼られていて、地域の観光資源として活かされているのを感じました。
復興へのささやかな協力
「何かできることはないかな」と思って立ち寄ったのが、
人吉駅に隣接する人吉鉄道ミュージアム「MOZOKAステーション」。
そこで目に入ったのが、くま川鉄道の缶バッジ。
これを購入することで少しでも応援になればと思い、いくつか買いました。
ミニ鉄道の遊具も元気に走っていて、親子連れの笑顔が戻っていたのが、嬉しかったです。
でもスタッフの方からは「予算がなくて…」という声も聞こえ、やっぱりまだまだ厳しい現実があることを痛感しました。
最後に思うこと
自然災害からの復興って、時間もお金もかかるし、心のケアも必要なんだと改めて感じました。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言うけれど、当事者の方々にとっては、忘れようにも忘れられない現実がそこにあります。
日本は、もっとグローバルな視点も取り入れつつ、
災害に強く、持続可能な社会になっていく必要があると思います。
小さな一歩かもしれませんが、これからもできることを、できる範囲で応援していきたい。