お酒文化は日本人そのもの:焼酎→お酒に替えてみる

人生100年時代です。還暦(60歳)を過ぎても、まだ残り40年あります。このブログが、還暦を過ぎたみなさまにとって何かのヒントになればと思い、書き続けています。
今日は「お酒」について書いてみます。
日本人の身体は「米」でできている ― だから日本酒が合う、という話
ふと台所で炊きたてのご飯の湯気を見ていて思ったんです。
「あぁ、自分の身体って、結局この米でできてるんだよなぁ」と。
日本人は縄文時代の終わりから弥生時代にかけて稲作を始め、それから2000年以上、米を主食として生きてきました。お米は単なる炭水化物源というだけでなく、日本人の腸内環境、味覚、そして体質そのものを形作ってきたと言われています。
だとしたら、お酒だって「米から生まれたお酒」が、いちばん身体に合うんじゃないか。そんなことを、還暦を過ぎたいま改めて感じています。
芋焼酎、ビール、ワイン、ウイスキー、ウォッカ…それぞれの「原料」を考えてみる
お酒というのは、突き詰めれば「その土地で穫れる作物」から生まれるものです。
- 芋焼酎 ― さつま芋。鹿児島の風土そのもので、これはこれで郷土の誇り
- ビール ― 大麦(麦芽)とホップ。ヨーロッパの畑作文化の産物
- ワイン ― ぶどう。地中海性気候の恵み
- ウイスキー ― 大麦やライ麦。スコットランドやアイルランドの気候風土
- ウォッカ ― じゃがいもや穀物。寒冷地でとにかく蒸留を重ねてクリアにしたお酒
こうして並べてみると面白いのが、どれも「その土地の人々が、その土地で穫れるものから作った」という点では同じだということ。つまりお酒の系譜は、その民族の食文化の縮図でもあるわけです。
だとすれば、日本人にとって最も馴染みのある原料は、間違いなく米。日本酒は、まさに私たちの主食そのものから生まれたお酒なんですよね。
日本酒の良さは「体質との親和性」にある
芋焼酎ももちろん美味しいし、鹿児島に住む身としては愛着もあります。ビールの爽快感も、ワインの華やかさも、ウイスキーの奥深さも、それぞれ捨てがたい魅力がある。
ただ、日本酒には他のお酒にはない特徴があります。
1. 米由来のアミノ酸が豊富 日本酒は醸造酒の中でもアミノ酸含有量が際立って多いお酒です。旨味成分であるグルタミン酸をはじめ、様々なアミノ酸が、和食の出汁文化と自然に調和します。
2. 和食との相性が抜群 米から生まれたお酒が、米を炊いたご飯とともに育った和食(魚、味噌、醤油、出汁)と合わないはずがない。これは理屈というより、長い歴史が証明していることだと思います。
3. 温度で表情が変わる懐の深さ 冷やしても、常温でも、燗をつけても美味しい。これほど温度帯で楽しみ方が変わるお酒は、世界的にも珍しいのではないでしょうか。
稲作民族としての「身体感覚」
易経を読んでいても感じることですが、東洋の思想には「その土地、その風土に合ったものを摂ることが、身体の調和につながる」という考え方が根底にあります。
人生100年時代と言われるいま、還暦を過ぎてあらためて感じるのは、若い頃のように「なんでも飲める」体力任せの時代は終わったということ。だからこそ、自分の身体のルーツに立ち返って、米から生まれた日本酒を、ゆっくり味わいながら楽しむ。そんな飲み方に、心地よさを感じるようになりました。
芋焼酎もビールもワインもウイスキーも、それぞれの良さがある。でも「日本人の身体は米でできている」という視点に立ったとき、日本酒には他のお酒にはない、ある種の”帰る場所”のような安心感があるように思うのです。
今夜は、久しぶりに冷やの日本酒でも一杯、いただこうと思います。


