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エッセイ

焼酎の甲類と乙類の違いとは? 60代の私が売り場で見つけた「乙類」の謎

焼酎の甲類と乙類、何が違う? の文字、右側に私の買った焼酎の写真
甲類・乙類・本格焼酎
noira.0453@outlook.jp
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ハウル
ハウル

みなさんこんにちは。ハウルブログです。今日も元気にお過ごしでしょうか。

人生100年と言われる時代です。還暦(60歳)を過ぎても、まだ残り40年あります。このブログが、還暦を過ぎたみなさまにとって何かのヒントになればと思い、書き続けています。

今日は「焼酎の甲類と乙類の違い」について書いてみます。

結論から言うと、焼酎の甲類と乙類の違いは、蒸留のしかたです。

  • 甲類:連続式蒸留機で何度も蒸留する。クセがなく、すっきりした味
  • 乙類:単式蒸留器で1回だけ蒸留する。芋や麦など、原料の香りと味が残る

ふだん「本格焼酎」と呼ばれているのは、乙類のほうです。

甲と乙は「上等・並」のような等級ではなく、つくり方による区分けにすぎません。

私がこのことを調べたのは、焼酎の売り場で、ある文字が目に入ったからでした。

きっかけは売り場の「乙類焼酎」

先日、焼酎を買いに行きました。

米焼酎の棚を見ていたら、ラベルに「乙類焼酎」と書いてある銘柄がありました。

「これは何だ?」と、思わず手が止まりました。

いつも見ているラベルには、たいてい「本格焼酎」と書いてあります。

同じ棚に並んでいるのに、なぜ書き方が違うのか。

その日は、芋焼酎の「こくいも 黒」を買って帰りました。

焼酎はよく買うのに、甲類と乙類の違いを人に説明できない。

これは少し恥ずかしい(たぶん、私だけではないはずです)。

そこで、あらためて調べてみました。

焼酎の甲類と乙類の違いを表で比べる

まずは、違いを表にまとめます。

甲類焼酎乙類焼酎
いまの正式な呼び名連続式蒸留焼酎単式蒸留焼酎
蒸留のしかた連続式蒸留機で何度も単式蒸留器で1回
アルコール度数36度未満45度以下(多くは25度前後)
味と香り無色透明でクセがない原料の風味がはっきり出る
主な原料糖蜜(サトウキビのしぼり汁から砂糖を取ったあとの液)、トウモロコシなど芋・麦・米・黒糖・そばなど
向いている飲み方チューハイ、サワー、果実酒づくりロック、水割り、お湯割り
別の呼び方ホワイトリカー本格焼酎(条件あり)

ひとことで言うと、

甲類は「クセのない万能ベース」、乙類は「原料の味を楽しむ酒」です。

なお、2006年の酒税法の改正で、正式な呼び名は「連続式蒸留焼酎」「単式蒸留焼酎」に変わりました。

ただ、「甲類」「乙類」という書き方も今も使ってよいことになっているので、ラベルには両方が混ざっています。

売り場で戸惑うのも、無理はないわけです。

甲類焼酎とは? 連続式蒸留機のしくみ

甲類焼酎をつくる連続式蒸留機は、背の高い「塔」のような装置です。

連続式蒸留機の断面図。塔の中に棚板が何段もあり、もろみは上から入って下へ流れ、蒸気は下から昇る。上ほどアルコールが濃くなり、最上部から約95度のアルコール蒸気を取り出す
連続式蒸留機の断面図(しくみがわかるように簡単にした図です。実際の工場では、塔が何本もつながっていたり、棚板の形が違ったりします)

しくみは、こうです。

  1. 塔の中には、何段もの棚(棚板)があります
  2. もろみ(発酵させた液)を塔の上のほうから流し込み、下からは蒸気を送り込みます
  3. 蒸気は棚を一段上がるたびに、冷やされて液になり、また蒸発します
  4. アルコールは水より沸点が低いので、上の段ほどアルコールが濃くなります
  5. いちばん上から、95度前後の濃いアルコールを取り出します
  6. これを水で薄めて、36度未満の製品にします

棚を通るたびに蒸発と凝縮をくり返すので、1回の運転で、何度も蒸留したのと同じ効果があります。

香りや雑味の成分はふるい落とされ、ほとんど純粋なアルコールに近くなります。

だから甲類は、無色透明でクセがない。

レモンサワーや梅酒づくりに使われるのは、このクセのなさのおかげです。

ひとことで言うと、連続式蒸留機は「純度を高める装置」です。

乙類焼酎とは? 単式蒸留器のしくみ

乙類焼酎をつくる単式蒸留器は、釜(ポット)の形をした蒸留器です。

ウイスキーの世界では「ポットスチル」と呼ばれるものと、基本のしくみは同じです。

単式蒸留器の断面図。釜でもろみを温め、蒸気が首を昇って管を通り、水で冷やす冷却器で液体に戻って蒸留液になる
単式蒸留器の断面図(簡単にした図です。首の形や冷やし方は、蔵ごとに工夫があるそうです)

流れは、とてもシンプルです。

  1. 下の釜にもろみを入れ、直火や蒸気で温めます
  2. 出てきた蒸気が、上の首を昇ります
  3. 横の管を通って冷却器に入り、冷やされて液体に戻ります
  4. これが蒸留液、つまり焼酎のもとになります

連続式のような棚板はなく、蒸留は1回だけ。

そのため、アルコール以外の香りの成分もいっしょに出てきます。

芋焼酎のあの独特の香りや、麦のこうばしさ、米のやわらかい甘み。

これらはみんな、この「1回だけ」の蒸留から生まれます。

ひとことで言うと、単式蒸留器は「原料の風味を残す装置」です。

「乙類」と「本格焼酎」は同じ? 違う?

さて、売り場で私が首をかしげた「乙類焼酎」の話に戻ります。

「本格焼酎」と名乗れるのは、乙類(単式蒸留焼酎)のうち、決まった条件を満たしたものだけです。

  • 原料が、穀類・芋類・清酒かす・黒糖、または国が決めた品目であること
  • 麹(こうじ)を使っていること
  • 単式蒸留器で蒸留していること
  • 水を加える以外に、砂糖などを加えていないこと

つまり、

  • 本格焼酎は、すべて乙類
  • でも、乙類が、すべて本格焼酎とは限らない

という関係です。

では、私が見た「乙類焼酎」の芋焼酎は、どちらだったのか。

考えられるのは、次の2つです。

  • 条件を満たしているが、蔵が昔ながらの「乙類」という書き方を選んでいる
  • 何かを加えているなどで、「本格焼酎」とは名乗れない

ラベルの裏の原材料の欄を見れば、ある程度はわかります。

ラベルで見分けるコツ

焼酎を選ぶときは、ラベルのここを見ると迷いません。

  • 「連続式蒸留焼酎」「甲類」「ホワイトリカー」→ クセのない甲類
  • 「単式蒸留焼酎」「乙類」→ 原料の味が残る乙類
  • 「本格焼酎」→ 乙類のうち、条件を満たしたもの
  • 「甲乙混和焼酎」「乙甲混和焼酎」→ 甲類と乙類をまぜたもの

最後の「混和焼酎」は、見落としやすいので要注意です。

実は、私がこの日に買った焼酎がそうでした。

芋焼酎「こくいも 黒」の紙パック。「焼酎甲類乙類混和」「いも焼酎(さつまいも10%使用)」の表示がある

「こくいも 黒」の紙パックには、大きく「焼酎甲類乙類混和」と書いてあります。

甲類と乙類をまぜた焼酎で、甲類のほうが多い、という意味です。

その下には「いも焼酎(さつまいも10%使用)」。黒麹仕込で、アルコール分は25度です。

表の顔は芋焼酎。でも中身の主役は、すっきりした甲類。

芋の香りはほどほどに、飲み口は軽めに。毎日の晩酌向けのつくりなのでしょう。

ただ、「本格的な芋の香り」を期待して買うと、肩すかしになるかもしれません。

芋の香りをしっかり楽しみたいときは、「本格焼酎」の文字を探すのが近道です。

ちなみに、甲類の「甲」と乙類の「乙」は、上等と並という意味ではありません。

つくり方の違いで分けた、ただの区分けです。

甲類はサワーに、乙類はお湯割りに。どちらも得意な場面があります。

まとめ

  • 焼酎の甲類と乙類の違いは、蒸留のしかた
  • 甲類は連続式蒸留機で何度も蒸留。36度未満で、クセのない万能ベース
  • 乙類は単式蒸留器で1回だけ蒸留。45度以下で、原料の香りと味が残る
  • 「本格焼酎」は、乙類のうち条件を満たしたもの
  • ラベルの「混和焼酎」の文字にも気をつける

売り場でたまたま目に入った「乙類」の2文字。

調べてみたら、塔のような蒸留機と、釜のような蒸留器の、まったく違う世界が見えてきました。

なるほど、と思いました。

つくり方を思い浮かべながら飲む焼酎も、また格別にいいものです。

還暦を過ぎて、お酒の量はほどほどに。

そのぶん、1杯の味わいを深くしていきたいと思います。

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ハウル
ハウル
自由を目指すアラカン
「人生100年時代」をともに生きるあなたへ。
何かヒントになればと思い2022年11月にブログをスタートしました。
旅(神社仏閣巡り)・還暦野球・ゴルフやってます。

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