パスキーが1Passwordに保存される仕組みを60代の私が調べた


みなさんこんにちは。ハウルブログです。今日も元気にお過ごしでしょうか。
人生100年と言われる時代です。還暦(60歳)を過ぎても、まだ残り40年あります。このブログが、還暦を過ぎたみなさまにとって何かのヒントになればと思い、書き続けています。
今日は「パスキーが1Passwordに保存される仕組み」について書いてみます。
先日、あるサイトでパスキーを設定しようとしたときのことです。
画面に「1Passwordに保存しますか?」と出てきました。
(ConoHa WINGのサイトで、パソコンのChromeから設定しました)
言われるままに「保存」を押して、あとで1Passwordを開いてみると、そのサイトの項目に、ちゃんとパスキーが入っています。
「えっ、1Passwordが勝手に入り込んできた?」
パスキーを頼んだのはサイトのほうなのに、なぜ1Passwordが顔を出すのか。
どうやって、そこに入り込んだのか。
気になったので、調べてみました。
結論から言うと、1Passwordが勝手に入り込んだわけではありません。
サイトが「パスキーを作ってください」と頼むと、スマホやブラウザが、その仕事を「保存先として登録されている1Password」に回している。
そういう仕組みでした。
しかも、1Passwordに任せてよいという許可は、私自身が、前に出していたのです。
前回の記事のおさらい:パスキーは「鍵」
パスキーについては、10月18日の記事で書きました。
→ パスキーとは? パスワードとの違いを60代の私が南京錠で考えてみた
ひとことでおさらいすると、
- パスワードは、数字を合わせて開ける南京錠(合言葉)
- パスキーは、自分の家にしか合わない本物の鍵
でした。
今日の話は、その「鍵」が、どこで作られて、どこにしまわれるのか、というお話です。
パスキーが1Passwordに保存されるまでの4つのステップ
流れを順番に見てみます。
- サイトが「パスキーを作ってください」とブラウザに頼む
この頼み方は、世界共通の決まり(WebAuthn=ウェブオースンという仕組み)になっています。どのサイトも、同じ言葉で頼んでくるわけです。 - 頼みを受け取るのは、スマホやブラウザ
スマホならiPhoneやAndroidそのものが、パソコンならブラウザ(Chromeなど)に入れた1Passwordの「拡張機能」が、この頼みを受け取ります。 - 「パスキーの保存先」として登録されている1Passwordに、仕事が回される
ここで、あの「1Passwordに保存しますか?」が表示されます。 - 1Passwordが「秘密鍵」と「公開鍵」の組を作る
秘密鍵は1Passwordの中にしまわれ、公開鍵だけがサイトに送られます。
つまり、1Passwordが外から入り込んだのではなく、サイトの頼みが、順番に1Passwordまで回ってきたのです。
鍵屋さんにたとえると、こうなります
南京錠のたとえを、もう少し広げてみます。
| 登場人物 | たとえ |
|---|---|
| サイト | 新しく家を建てた大家さん |
| ブラウザ・スマホ | 間に立つ不動産屋さん |
| 1Password | 私が契約している鍵屋さん |
| 秘密鍵 | 私だけが持つ鍵 |
| 公開鍵 | 玄関に取り付ける鍵穴 |
大家さん(サイト)が「この人用の鍵を作って」と、不動産屋さん(ブラウザやスマホ)に頼みます。
不動産屋さんは、「この人の鍵は、いつものあの鍵屋さんに頼むことになっている」と知っているので、仕事を鍵屋さん(1Password)に回します。
鍵屋さんは、鍵と鍵穴をセットで作り、鍵穴だけを大家さんに渡します。
鍵そのものは、鍵屋さんの金庫(1Password)にしまっておきます。
大家さんの手元にあるのは鍵穴だけ。
たとえ大家さんの家に泥棒が入って鍵穴を盗んでも、鍵穴からは鍵を作れません。
ここが、パスワードと大きく違うところです。
なぜ1Passwordが選ばれるのか? 許可は自分で出していた
では、不動産屋さん(ブラウザやスマホ)は、どうして「1Passwordに回せばいい」と知っていたのでしょうか。
答えは、私が自分で、1Passwordを「任せてよい相手」として登録していたからです。
不動産屋さんに「鍵は、この鍵屋さんでお願いします」と、前もって伝えてあったようなものです。
- iPhone:「設定」→「一般」→「自動入力とパスワード」(少し前のiOSでは「設定」→「パスワード」→「パスワードオプション」)で、1Passwordをオンにしている
- Android:「設定」の「パスワードとアカウント」(機種によって名前が少し違います)で、1Passwordを選んでいる
- パソコン:ブラウザに1Passwordの拡張機能を入れている
1Passwordを使い始めたとき、「パスワードを自動で入力できるようにしましょう」と案内されて、この設定をした覚えがあります。
それが、「パスキーも1Passwordに任せてよい」という許可になっていたのです。
すっかり忘れていました。
「勝手に入られた」と思っていたのは、自分で出した許可を、私が忘れていただけでした。
ちなみに、パスキーの保存先は1Passwordだけではありません。
iPhoneなら「iCloudキーチェーン(パスワードアプリ)」、AndroidやChromeなら「Googleパスワードマネージャー」も、保存先になれます。
保存するときの画面で「別の方法で保存」などを選べば、ほかの保存先にすることもできます。
パスキーでログインするときは、何が起きている?
保存したパスキーで、次にログインするときの流れも見ておきます。
- サイトが「本人なら、この問題に答えてください」と、毎回ちがう問題を出す
- 1Passwordが、しまってある秘密鍵を使って答え(本人の証明)を作る
- サイトは、手元の公開鍵で、その答えが正しいかどうかを確かめる
ここで大事なのは、秘密鍵そのものは、1Passwordの外に一度も出ないことです。
外に出るのは、その回だけ使える「答え」だけ。
たとえるなら、鍵を相手に渡すのではなく、目の前で鍵を回して、開いたところを見せるだけです。
しかも、パスキーは作ったときのサイトにしか合わないようになっています。
本物そっくりの偽サイトに連れて行かれても、鍵が合わないので、ログインが動きません。
フィッシング詐欺に強いと言われるのは、このためです。
安全面のポイント:サイトから漏れても大丈夫?
調べてみて、安心したことが3つあります。
- サイトには公開鍵(鍵穴)しか渡らない
サイトから情報が漏れても、それだけではログインできません。最近は企業の個人情報流出が多いので、ここは心強いところです。 - 秘密鍵は1Passwordの金庫の中
1Passwordを開くための、自分の指紋・顔・パスワードがなければ、使えません。 - 同じアカウントなら、別の端末からも使える
1Passwordの中にあるので、パソコンで作ったパスキーを、スマホからも使えます。
逆に言うと、1Password(金庫)そのものの守りが大事ということです。
1Passwordを開くためのパスワードは長く、ほかでは使い回さないようにしておきます。
パスキーのありかが分からなくなった、あの日の私へ
前回の記事で、ConoHa WING(レンタルサーバー)のパスキーのありかが分からなくなり、電話で解除してもらった話を書きました。
今回わかったのは、パスキーは、そのとき「保存先」として選ばれた場所に入るということです。
1PasswordかもしれないしiPhoneのパスワードアプリかもしれない。
あのときは、それすら意識していませんでした(ちょっと飲んでいたせいも、たぶんあります)。
1Passwordのユーザー名とパスワードの間にパスキー欄ができていて驚きました。
1Passwordを開いてみると、パスキーの欄には「Oct 19, 2026に作成」とあるだけ。
鍵らしきものは、どこにも見当たりません。
調べてみると、秘密鍵はわざと見せない作りになっているそうです。
本人にも見せないから、だまし取られることもない。
なるほど、と思いました。
これからは、パスキーを設定したら、
「どこに保存したか」を、1Passwordを開いて確かめる。
それだけで、あの日のような迷子は防げそうです。
なお、身の回りの「守り」については、PHPの脆弱性とは? WordPressとWi-Fiを60代の私が見直したにも書きました。
まとめ
今日は「パスキーが1Passwordに保存される仕組み」を調べてみました。
- 1Passwordが勝手に入り込んだのではない。サイトの頼みが、ブラウザやスマホを通って、1Passwordに回ってくる
- 1Passwordに回るのは、自分で「任せてよい」と登録していたから(iPhoneの自動入力の設定、パソコンの拡張機能)
- 1Passwordは秘密鍵(鍵)と公開鍵(鍵穴)を作り、サイトには鍵穴だけを渡す
- ログインのときも、秘密鍵は外に出ない。偽サイトでは鍵が合わない
- 大事なのは、1Password(金庫)そのものをしっかり守ることと、どこに保存したかを確かめること
「勝手に入られた!」と思ったことも、調べてみれば、自分で開けておいた扉でした。
分からないことを、そのままにしない。
人生100年、まだまだ知らないことだらけです。
次に「保存しますか?」と聞かれたときは、「はい、知っていますよ」と、少し得意げに押してみようと思います。




